沖縄海域の海洋地質調査は、国土の基盤情報整備の一環として2008年度から開始された。沖縄海域の九州から台湾に続く島嶼は琉球弧と呼ばれ、フィリピン海プレートの琉球海溝における沈み込みに伴って形成された島弧である。琉球弧の西側には沖縄トラフと呼ばれる背弧海盆が形成されており、活動的な海底火山や海底熱水活動が知られている。鉱床の胚胎場には地質構造の規制が存在すると考えられるので、海底鉱物資源が期待される場の海洋地質情報の整備は資源賦存場の絞り込みにとても有効である。周囲を海洋に囲まれた日本にとって、海底鉱物資源の開発に向けて期待はますます大きくなる。国土の基盤情報の一つの利用方法として、地質現象に基づく海底鉱物資源の開発に向けた方法論を提示する。