本研究は,教師の負担や指導案重視の形骸化が指摘される「授業研究会」に「フレックス授業分析」を導入した際の実践研究である。「フレックス授業分析」とは,「授業分析」がもつ様々な課題を克服し,柔軟に対応できるよう工夫したものである。働き方改革の中,日常的に短時間で,子どもの学びの見取りを中心とした話し合いが期待できる研修であり,授業力向上に繋がることを検証した。「フレックス授業分析」の特徴である,他校で実践された授業記録を使用することや,分析範囲を限定して行う方法について質問紙調査を行ったところ,「学びとなった」と実感している教師が多いことが明らかになった。また,実際に「フレックス授業分析」を行っている教師の逐語録を「ALACTモデル」で検証したところ,省察による深い学びを行っていることが分かった。本研究では,「授業研究会」の形骸化脱却と,持続可能な研修として「フレックス授業分析」を提案する。