2016 年 9 巻 4 号 p. 216-234
レーザープラズマ光源の最有望応用技術として極端紫外光励起光電子分光法、EUPS、の原理を考案してから、4半世紀が過ぎた。最表面原子層の超微量汚染の検出、バンド曲がり、表面のキャリア密度の評価、導電率の評価等、他の手法では困難な分析がEUPSで可能になっており、触媒活性との良い相関が得られるなど、材料の有用な分析手段になっている。ユーザーの課題解決のために生まれた分析法が多く、ユーザーによりEUPSが高度化されたと言える。EUPSの着想に至るまでの経緯、実用装置にするための要素技術の選定と構成、従来の光電子分光にはない新たな分析法を可能にしたのはEUPSのどのような特徴によるか、などを記述した。