特定の物質の存在を高感度で検出するセンサーは、医療や創薬、環境などの分野でその高機能化が切望されている。我々は、診断、診療のための高性能なセンサーを目指し、基本技術として導波モードを用いた高感度分子センサーの開発を行った。本センサー開発において、我々は、ナノ穴形成技術の適用、光学シミュレーションと実験結果のフィードバック、検出板作製工程の見直しを経て、センサーの高感度化、安定化に成功した。本稿では、これらの研究シナリオ及びシナリオ実現に用いた要素技術、各要素技術の構成方法とそれにより達成したセンサー技術の特性に関して述べる。また、ブレイクスルーによって得られた飛躍的な検出性能の向上についても報告する。