抄録
セラミックス粒子を金属で結合した硬質材料は、わが国の高度加工技術を支える金型や工具の材料として利用されている。しかし、硬質材料は資源的に少ないレアメタルを大量に含むため、新しい材料開発が求められていた。そこで、Fe-Al金属間化合物を結合相とした硬質材料を開発した。この硬質材料は鋳造と粉末冶金の技術を組み合わせたプロセスで合成することにより高硬度で高強度とすることができた。本稿では開発した材料を工業的に利用するための第2種基礎研究への取り組み、さらに異なる専門分野の研究者の融合による効率的な研究開発の方法論について紹介する。