抄録
打音検査や超音波検査のように振動を利用すると構造物の健全性を評価することができる。光ファイバセンサは電気センサの適用が困難であった極限環境下における構造体健全性評価を可能にすることが期待されている。近年、多機能、多重化可能、電磁波非干渉といった特長を有するファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)による振動検出の研究が盛んに行われている。しかしこれまでのFBGセンサシステムは温度・ひずみ変動下で超音波を検出することが困難であった。我々はこの技術的障害を乗り越えるシステムを新たに開発した。この論文ではコンパクトで経済性に優れた数Hz~2 MHzの広帯域な振動検出が可能なFBGセンサシステムの開発過程を構成的アプローチに基づいて紹介する。