2017 年 31 巻 1 号 p. 59-64
当研究プロジェクトは、事業継続マネジメントシステムについてJRMS2010 成熟度モデルを活用して、各レベルにおけるマネジメントスタイルを研究してきた。具体的には、大震災などの重大事故を時間軸(事故発生後の対応スピード)や組織軸(組織の成熟度レベル)から整理し、併せてレピュテーションリスクの観点からも検討した。その結果、サプライチェーンにおいて、許容される復旧時間があり、これを超えると新しいサプライチェーンが生まれて、復旧が遅れた企業に大きなダメージを与えてしまうことが分かった。また、従業員・取引先・地域との日常の関係性が、復旧時間のスピードに大きな影響を及ぼしていることが推測され、「日常訓練の定期的な実施」と「従業員を人財として大切にすること」が復旧につながり、レピュテーションリスクの観点からも重要である。