インターネットの利用により我々の個人情報が日々取得され,分析・評価されている.個人情報は誰にどれだけ取得され,利用されているかを把握できないため,個人情報に対する漠然とした不安と不信感が生じている.しかし,個人情報を保有する企業がどれだけの個人情報を取得し,どのように利用したか,どれだけ保管し,どれだけ削除したかなどの数値をシステム監査の結果とともに公表すれば,不安と不信感は解消されると考える.そこで本論では,個人情報を保有する企業が個人情報の管理・運用状況の数値をシステム監査結果とともに公表することを提案する.企業が個人情報に関する数値を公表することで個人情報に対する不安と不信感がどのように変わるかを示す.数値をどのように公表するかを示し,その際のシステム監査の内容を提案する.