抄録
コンクリート内部に鉄筋を配置することによりひび割れの分散性を評価できる一軸拘束ひび割れ試験体を用いて, 膨張コンクリートと普通コンクリートのひび割れ性状を比較し, 膨張コンクリートの収縮ひび割れ低減効果を実験的に検討した. さらに, ひび割れ本数およびひび割れ係数と無拘束試験体で測定した乾燥収縮ひずみの関係性を考察した. その結果, 膨張コンクリートはひび割れ本数・ひび割れ係数の明らかな低減効果を有すること, 膨張コンクリートの収縮ひび割れ低減効果は, 普通コンクリートの乾燥収縮ひずみに対して, 乾燥収縮ひずみの低減分に初期の膨張ひずみ分として100~150×10-6程度の低減量を加味することでおおむね評価できる可能性を示した.