抄録
最近では, CO2排出量の抑制を推進するために, 高炉スラグ微粉末を多く含むようなコンクリートの研究が実施されるようになっている. しかしながら, 高炉スラグ微粉末を多く含んだ 鉄筋コンクリート(RC)梁のせん断耐力に関する研究は, まだ限られている. そのため, 本研究では, せん断耐荷機構を検討することを目的として, 高炉スラグ微粉末を多く含んだRC梁のせん断載荷試験を実施した. 本研究から得られた重要な結果は, 以下のとおりである. (1)同等の圧縮強度において, 高炉セメント(BSC)を用いた普通強度コンクリートの材齢28日までの収縮は, 普通ポルトランドセメント(OPC)やフライアッシュセメント(FAC)を用いた場合にくら べて増大する, (2)同等の圧縮強度において, BSCを用いた普通強度RC梁の材齢28日でのせん断耐力は, OPCやFACを用いた場合にくらべて約10%低下する.