抄録
耐火物の侵食機構を解明するための基礎研究として溶鉄とMgAl2O4基板の界面反応に対するSiO2の影響を検討した。MgO, Al2O3, SiO2を使用して基板を作成した。基板はスピネルとMgO-Al2O3-SiO2非晶質体で構成されていた。溶鉄-基板の界面反応を1833Kで1あるいは3時間保持し調査した。SiO2無添加の基板を使用した場合,溶鉄-基板界面にはFeO-MgO固溶体が生成した。溶鉄中の酸素はスピネルにFeOとして取り込まれていた。SiO2添加量2.5, 5.0mass%の基板使用した場合,界面にはFeO-MgO固溶体が形成されていなかった。MgO-Al2O3-SiO2非晶質体にはスピネルより多くのFeOが取り込まれていた。