抄録
使用後耐火物は侵食部を十分に除去すれば,価値の高い用途,例えば耐火物原料として利用できる。電気パルス粉砕は,粉砕対象物内の異相界面で優先破壊を起こすことが可能である。本研究では,電気パルス粉砕の使用後耐火物
の処理への適用を試みた。スラグ侵食させたMgO系耐火物の電気パルス粉砕実験では,健全部及び侵食部の単体粒子が多数生成した。健全部と侵食部の複合誘電体に外部電場を印加した際の電場強度分布を計算した結果,界面周辺で電場が集中することが示された。これは界面周辺で局所的な絶縁破壊が生じやすいことを意味する。また,耐火物の割れ方は電場に対する粒子の方向に依存し,電圧の影響は小さいと推定された。