代表的なAl2O3-SiO2系耐火物中の鉄系化合物の存在形態を,断面観察,スポット組成分析,マイクロスポットX線回折測定を行い調査した。鉄系化合物の形態は気孔隣接系と粒内系に分類することができ,気孔隣接系は多数の粒子から構成される集合体であった。粒内系ではAl2O3にFe2O3および/またはTiO2が骨材内に分散していた。Al2O3-SiO2系耐火物の気孔隣接系で確認された粒子群の主な結晶相はHematite (Fe2O3)であったが,1400 ℃(0.5時間)熱処理した気孔隣接系で確認された粒子群の主な結晶相はRutile (TiO2) およびMullite(3Al2O3・2SiO2) であり,高温の熱処理後に鉄成分は拡散した可能性がある。
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