耐火物
Online ISSN : 2759-3835
Print ISSN : 0039-8993
72 巻, 11 号
Taikabutsu Vol.72 No.11 November 2020
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
  • 久保 裕也, 中西 真大, 小川 毅
    2020 年 72 巻 11 号 p. 424-432
    発行日: 2020/11/01
    公開日: 2024/05/01
    ジャーナル 認証あり
    使用後耐火物は侵食部を十分に除去すれば,価値の高い用途,例えば耐火物原料として利用できる。電気パルス粉砕は,粉砕対象物内の異相界面で優先破壊を起こすことが可能である。本研究では,電気パルス粉砕の使用後耐火物 の処理への適用を試みた。スラグ侵食させたMgO系耐火物の電気パルス粉砕実験では,健全部及び侵食部の単体粒子が多数生成した。健全部と侵食部の複合誘電体に外部電場を印加した際の電場強度分布を計算した結果,界面周辺で電場が集中することが示された。これは界面周辺で局所的な絶縁破壊が生じやすいことを意味する。また,耐火物の割れ方は電場に対する粒子の方向に依存し,電圧の影響は小さいと推定された。
  • 井上 博靖, 松本 修治, 中坊 一也, 内田 茂樹, 平 初雄
    2020 年 72 巻 11 号 p. 433-443
    発行日: 2020/11/01
    公開日: 2024/05/01
    ジャーナル 認証あり
    代表的なAl2O3-SiO2系耐火物中の鉄系化合物の存在形態を,断面観察,スポット組成分析,マイクロスポットX線回折測定を行い調査した。鉄系化合物の形態は気孔隣接系と粒内系に分類することができ,気孔隣接系は多数の粒子から構成される集合体であった。粒内系ではAl2O3にFe2O3および/またはTiO2が骨材内に分散していた。Al2O3-SiO2系耐火物の気孔隣接系で確認された粒子群の主な結晶相はHematite (Fe2O3)であったが,1400 ℃(0.5時間)熱処理した気孔隣接系で確認された粒子群の主な結晶相はRutile (TiO2) およびMullite(3Al2O3・2SiO2) であり,高温の熱処理後に鉄成分は拡散した可能性がある。
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