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大気環境学会誌
Vol. 44 (2009) No. 2 P 91-101

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http://doi.org/10.11298/taiki.44.91

原著

エアロゾルに関する越境大気汚染と地域汚染の影響を区別して評価することを目的として,2007年3月の14日間,松山,大阪およびつくばでTSPを採取し,Pb/Zn比,V/Mn比,La/Sm比およびLa/V比などの複数の金属元素濃度比を用いて解析した。松山で観測した高いPb/Zn比は北京市のTSPの Pb/Zn比と整合的であり,長距離輸送の影響と考えられた。松山で観測した高いV/Mn比はローカルな石油燃焼系発生源の影響と考えられたが,長距離輸送の影響を受けるケースでは低いV/Mn比が観測された。大阪ではV/Mn比が他の観測地点に比べて顕著に低く,廃棄物焼却や鉄鋼工業の影響が推定されたが,ローカルな土壌や多様な人為発生源の影響が輻輳していると考えられた。つくばは土壌や地殻の元素濃度比に近く,変動も小さかったことから観測地点に影響を与える人為発生源が近傍に少ないか,または相当遠方にあって影響が平均化されていることにより,人為発生源の影響が観測されにくくなっていると推定された。

Copyright © 2009 社団法人 大気環境学会

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