2010 年 45 巻 1 号 p. 1-9
室内の揮発性有機化合物(VOCs)の気中濃度を,簡易に現場で測定出来る装置の開発を目的として,これまでに吸着燃焼式マイクロガスセンサを用いた可搬型ガスクロマトグラフの開発を行ってきた。今回,厚生労働省によるVOCsの室内濃度指針値を目安とし,トルエン,o-キシレン,スチレンおよび酢酸ブチルに対する試作機の検出特性等を調べた。最終的にフィールド試験として,家具製造工場および陶芸工房において測定を実施した。その際,装置による測定結果を評価するための比較として,従来法であるアクティブサンプリングを併行し,GC/MSによる定量値から気中濃度を算出した.測定対象とした室内において主にトルエンが検出され,試作機による測定値と従来法による測定値は,0.02ppm~2ppm以上の定量範囲においてよく一致した。