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大気環境学会誌
Vol. 45 (2010) No. 2 P 66-72

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http://doi.org/10.11298/taiki.45.66

ノート

2007年8月4日から9日にかけて大阪にて行われたエアロゾルの集中観測結果から,東アジアから越境輸送されるエアロゾルが日本のPM2.5濃度に与える影響を考察した。観測には湿度コントロール機能を持たない測定器を用いた。周辺の一次発生源からの影響やその場の二次生成の影響は観測期間を通して大きく変化しなかったが,PM2.5濃度には期間の前半と後半で20‐30 μg/m3の差がみられた。期間の前半には東アジアからの人為エアロゾルを含む汚染気塊が観測地点に輸送されていた一方,後半には太平洋由来の清浄大気が移流していたことが,PM2.5濃度レベルの差の主な要因と考えられた。期間前半に捕集されたPM2.5濃度および粒子の個数濃度と水蒸気濃度の間には正の相関が認められ,吸湿性成分による水分吸収の影響が考えられた。国内のPM2.5に対する東アジアから輸送される人為エアロゾルの影響として,バックグラウンド濃度として直接付加されるものに加え,湿度コントロール機能を持たない機種での測定値に対しては,多く含有される吸湿性成分による水分吸収という間接的な影響があることがわかった。

Copyright © 2010 社団法人 大気環境学会

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