大気化学輸送モデルの開発とその応用について述べた。特に、雲解像および雲非解像モデルおける、雲物理過程の扱いに焦点をあてて、雲解像モデルについては、日本海上の仮想的な雲生成が大陸起源の汚染物質の輸送と変質に与える影響について、また雲非解像モデルについては東アジアを対象とした湿性沈着に対する適用例について結果を紹介した。さらに、最近、話題となっている、日本の太平洋側都市域における光化学オキシダント・ピーク濃度に対する長距離輸送と日本起源光化学スモッグの相対的寄与について、化学輸送モデルを用いた推定結果について述べた。