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大気環境学会誌
Vol. 46 (2011) No. 3 P 156-163

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http://doi.org/10.11298/taiki.46.156

原著

レセプターモデルを用いて炭素成分に注目して微小粒子状物質の発生源推定を行った。観測は2007年夏季に前橋と騎西で行い,6時間(日中)または12時間(夜間)ごとにPM2.5を捕集し,炭素成分,イオン成分,無機元素成分および放射性炭素同位体比を分析した。このデータにCMB(Chemical Mass Balance)法を適用し,10種の発生源による寄与割合の推定を行った。この結果から炭素成分を発生源別に割り振ったところ,元素状炭素(Elemental Carbon; EC)はほとんどがディーゼル自動車排ガス由来であったが,有機炭素(Organic Carbon; OC)は一次粒子の寄与が少なく,ほとんどが二次生成によるものと推定された。発生源別に文献値等から設定したpMC(Percent Modern Carbon)の値からEC,OCを化石燃料起源と生物起源にわけると,ECはおおむね化石燃料起源であり,EC濃度の変動は日中に高く夜間に低かった。一方,二次生成の有機炭素(Secondary Organic Carbon; SOC)は日中には化石燃料起源と生物起源がほぼ1:2で存在するが,夜間には都心部からの移流に由来する化石燃料起源の割合が低下していた。その結果,観測された全炭素のpMCが増大することがわかった。また,日中にはSOCの70%が生物起源であり,SOCの前駆体として生物起源炭素が主要な寄与を持つことが示唆された。

Copyright © 2011 社団法人 大気環境学会

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