大気環境学会誌
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2013 年1 月に中国北京市で採取した高濃度PM2.5、PM1の特徴
米持 真一陈 炫缪 萍萍呂 森林王 効挙梅沢 夏実
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2013 年 48 巻 3 号 p. 140-144

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抄録

2013 1月に中国北京市でPM2.5 PM1を採取した。1 11 日から14 日の間に採取したPM2.5 は質量濃度で364 µg/m 3 であったが、他の期間でも100 µg/m 3 を超えていた。PM2.5 濃度は米国大使館の発表するβ線計の測定値と概ね整合していた。また、PM2.5 に占めるPM1の比率は0.95 以上であった。PM2.5 濃度が特に高い期間は、質量濃度に占める水溶性成分の比率が高く、また硫酸イオンに対する硝酸イオンの比率が低いのが特徴であった。金属元素成分ではICP/MS 法により57 元素を定量した。石炭燃焼など、人為発生源の指標としてAs/VPb/Zn について評価を行った結果、111 日から14 日の試料のAs/V 8.5Pb/Zn 0.77 であり、既報から得られた値より高値となっていた。気温の低い週末であったことから、家庭用暖房等に用いる石炭燃焼の増加がPM2.5 濃度増加の一因と考えられた。

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© 2013 社団法人 大気環境学会
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