大気環境学会誌
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原著
大型ディーゼル車が卓越する沿道環境中における超微小粒子の粒子凝集状態に基づくヒトの肺胞における粒子表面積負荷量
藤谷 雄二坂本 哲夫三澤 健太郎平野 靖史郎
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2014 年 49 巻 5 号 p. 224-231

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抄録

新型ディーゼル車からの超微小粒子の排出は抑制されているものの、いまだに大型ディーゼル車が多く走行する沿道環境中においては超微小粒子が比較的高濃度な状況であり、ヒト健康リスクの懸念がある。本研究では、沿道環境中の超微小粒子の曝露による粒子表面積を基準とした健康リスク評価を行うため、超微小粒子やナノ粒子を含む粒径300 nm以下の単分散化された6粒径のディーゼル微粒子および川崎市臨港警察署前交差点における微粒子を捕集し、電子顕微鏡観察によって凝集体の存在割合および粒子表面積等の形態情報を取得した。最も粒子表面積曝露量が大きくなるケースとして環境に存在する粒子がすべて凝集体であるとした場合に、成人男性の一日あたり、肺胞表面積1 cm2あたりの“粒子表面積負荷量”を推定すると1.2×10-4 cm2であった。この値はすべて球体を仮定した場合の約2.2倍であった。この負荷量と炎症が発症する閾値との比をとると1.2×10-4となり、負荷量をもとにしたリスクとしては低いことがわかった。ただしこれは粒子の化学成分による影響を無視した場合であり、炎症をエンドポイントに置いた場合であることに注意が必要である。

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© 2014 大気環境学会
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