2019 年 54 巻 4 号 p. 178-184
北海道の利尻(海岸部)、母子里(山間部)および札幌(都市部)において粒子状のNH4+、非海塩由来SO42- (nss-SO42-)およびNO3-を2009~2017年度の9年間調査した結果、いずれの地点でもNH4+およびnss-SO42-は減少傾向にあることが認められた。また、NH4+/(nss-SO42-+NO3-)比は、都市部の札幌では冬期にピークが認められた。また利尻の方が母子里より比が小さく、硫酸水素アンモニウムなどがより多く含まれていると考えられた。また、これらの比は近年、上昇傾向が見られ、中国から運ばれてくる硫酸とアンモニウムの塩の構成が、硫酸水素アンモニウムの割合が減少し、硫酸アンモニウムの割合が増加していることが示唆された。