2025 年 60 巻 5 号 p. 115-120
2025年1月に気象庁のスモッグ気象情報等の配信が終了したため、自治体による光化学オキシダント注意報の発令判断に資する情報が求められている。本研究では、国立環境研究所で運用している大気汚染予測システム(VENUS)を発令判断に活用するための情報提供を目的に、光化学オキシダント注意報の発令が多発した2024年夏季におけるVENUSの予測精度を評価した。VENUSは各地方における100 ppbv以上の高濃度O3発生頻度を70%の適中率と55%の捕捉率で前日に予測可能であり、ガイダンスを併用することで120 ppbv以上の高濃度O3発生頻度を45–50%の適中率と捕捉率で予測可能であった。