ガス状汚染物質の細胞毒性を検討するため培養細胞を用いて, 致死効果および突然変異能をしらべた。
Chinese hamster Don細胞を用い, コロニー形成法により致死効果をしらべた結果, 50%致死濃度はO3の場合2.4PPm, NO2の場合2.0PPm, SO2の場合5.4PPm, NOの場合20PPIn以上, COの場合800PPm以上であった。
又, 8-AG耐性細胞の出現頻度を指標として突然変異能をしらべた結果, O3およびO3よりは弱かったがNOに突然変異能が認められた。NO2, SO2, COには突然変異能は認められなかった。
さらに野外空気の致死効果および突然変異能をしらべた結果, 自動車通行量の多い道路際の空気に致死効果が認められた。O3およびNOに突然変異能が認められたことより, 今後はガス状汚染物質の生体への影響は突然変異性さらに発がん性という面からも検討しなくてはならないと考える。