大気汚染研究
Online ISSN : 2186-3687
ISSN-L : 0039-9000
窒素酸化物のマウス肺Peroxidative Metabolismへの影響
深瀬 治礒村 公郎渡辺 弘
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1976 年 11 巻 2 号 p. 65-69

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抄録

窒素酸化物 (NO2またはNO) の繰り返しばくろ (1日4時間, 7日または30日) によるマウス肺のPMPへの影響について検討した。
NO27日ばくろでは15PPmでGSH量が有意に増加し, 28PPmではGSH量の増加の他にGPO, GRおよびG6PD活性が有意に上昇した。NO26PPm30日ばくろではGRおよびG6PD活性が有意に上昇した。これらの結果からNO2はマウス肺のPMPの活性上昇をもたらすことが明らかになった。しかしその作用はO3より弱く, その作用機構もO3とは異なる点が見られた。
NO12PPmまたは21PPm7日ばくろではマウス肺のPMPに変化は認められなかった。NO11PPm30日ばくろではGRおよびG6PD活性の上昇傾向が見られたが有意差はなかった。
NO2またはNO7日間繰り返しばくろを行ったマウスの致死濃度のO3に対する抵抗性は, NO26ppmおよび15PPmで見られたが15PPmの方がO3に対する抵抗性は大きかった。NO21ppmではO3に対する抵抗性はなかった。

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