大気汚染学会誌
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因子分析による大気中の炭化水素の光化学反応性の評価
辻野 喜夫
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1983 年 18 巻 2 号 p. 101-111

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抄録

炭化水素汚染調査は大阪市内において昭和54年12月~昭和55年9月で実施し, 大気中に含まれる炭素原子数2~9の炭化水素成分をCapillary Columnを用いたガスクロマトグラフ法により連続的に分析した。
因子分析による光化学大気汚染の解析は, 観測変量として炭化水素, 日射量, Ox, NO2/NOx比ら38変量を用い, 観測データ200個で実施した。因子分析法は初期因子解にミンレス法, 最終回転解にエカマックス法を用いた。初期因子解によると, 6因子を抽出した場合の累積因子寄与は38個の情報全体について88.5%に達した。光化学大気汚染は最終回転解の因子軸の解釈によって説明された。因子分析による炭化水素の光化学反応性の評価は, それに対応する光酸化速度の平方根との間に0.1%の水準で有意な相関が認められ, スモッグチャンバー実験による評価にほぼ一致した。

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