大気汚染学会誌
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ニコチン個人暴露モニターの開発
村松 茂登彦梅村 節子冨田 英夫
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1983 年 18 巻 4 号 p. 291-299

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抄録

非喫煙者が日常の生活環境中でどの程度たばこの煙に暴露されているか, その実態を定量的に把握する目的で, たぼこ煙に固有のニコチンを指標物質とした個人暴露モニターを開発した。
従来の酸性捕集液に代る乾式のニコチン捕集剤を検討した結果, OV-17を10wt%添加したChromosorb W (AW-DMCS, 30/60) が捕集剤として有効であった。この捕集剤450mgをパイレックス製の捕集管に充てんし, パーソナルポンプを接続し非喫煙者に一定時間携帯させて通気後, FTD付GCの注入口に捕集管を直結し, 捕集されたニコチンを熱脱着して直接GCに導入し, ニコチン暴露量を測定することを基本とした, 個人サンプラーおよび分析手法を開発した。
この個人暴露モニターにより, 一例として職場におけるニコチン暴露量を測定したところ, 数μg~37μg/8hr程度であった。この値はマイルドセブンを1時間当たり1/1000~1/200本程度喫煙したニコチン吸入量に相当している。

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