大気汚染学会誌
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硝酸ナトリウムと亜硝酸ナトリウムエーロゾルのマウス暴露に関する実験的研究 I
エーロゾル発生法
渡辺 弘山本 匡利
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1983 年 18 巻 4 号 p. 300-307

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抄録

硝酸塩エーロゾルおよび亜硝酸塩エーロゾルのマウスへの暴露実験を行うため, サブミクロンの高濃度 (15~60mg/m3) エーロゾルの発生装置を組み立て, 運転条件及び発生エーロゾルの物理的特性について検討した。
超音波ネブラィザー (アコマ, EN-2) によりNaNO3エーロゾルを発生させ, 内容積80lの平型チャンバーに送り込む。
粒子発生溶液の濃度をNaNO3 0.02Mとすると, 湿度61%以下 (潮解に関する臨界湿度, NaNO3: 77.7%, NaNO2: 66%), 濃度15~89mg/m3のエーロゾルが得られる。
アンダーセンサンプラーによる粒径分布の測定結果は, 濃度17~60mg/m3, 湿度40~76%の場合, 空気力学的重量中央径 (MMAD) 0.85~0.88μ, σg 1.4~1.6でありほぼ対数正規分布を示す。
チャンバー内各部位での濃度の変動係数は1%以下 (n=18), 粒径分布は一定値を示し, チャンバー内のエーロゾルは均一である。
模型マウスをチャンバー内に挿入した場合, チャンバー内各部位の濃度および粒径分布に大きな変化は認められなかった。
濃度約50mg/m3における4時間連続運転を行った場合, 変動係数2.7%(n=69), 粒径分布の変化はMMAD 0.86~0.88μ, σg一定である。
チャンバー内のエーロゾル流量は11~49l/min (換気回数8~37r/hour) である。
以上の結果, 本装置により目的とする暴露実験条件の設定が可能である。

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