抄録
電気炉を用いた廃棄物燃焼実験装置, 実稼動中の焼却炉についてそれぞれ粒子中およびガス中の重金属濃度を測定して比較し, 測定条件 (ろ過材, 排ガス温度等) とガス中の各種重金属の排出率との関係を調査した。その結果, 以下の事柄が明らかとなった。
(1) 燃焼実験の結果, 粒子中の重金属の捕集に石英製ろ紙 (円筒および円形) および石英ウールを使用した場合, 粒径別捕集率が低い石英ウールで測定したガス中のCd, Pbの捕集率が, ろ紙の時よりも高くなることが判明した。
(2) 粒子中の重金属の捕集に石英製の円筒及び円形ろ紙を用いた場合, 都市ごみ焼却炉におけるガス中のCd, Pb, Znの排出率は約10%であった。これに対して, 石英ウールを用いて測定した場合, ガス中のZnについてはろ紙の時と同様に排出率は約10%であったが, Cd, Pbの排出率は80%強となった。なお, Cuはいずれも不検出であった。
(3) 測定孔での排ガス温度が240℃から650℃へと高くなると, ガス中のCdの排出率も増加した。
(4) ガス中のAsは, 調査の対象となったすべての都市ごみ焼却炉 (8施設) で不検出 (0.01mg/mN3以下) であった。