抄録
大気試料のキャピラリーカラムーガスクロマトグラフ分析において, 吸着捕集した試料を加熱脱着し, キャリヤーガスを用いてガスクロマトグラフへ試料導入する方法について検討した。スプリット試料導入法では試料の大部分を捨ててしまうことになり, 大気中の微量成分の分析に不利であり, 圧力訟ントロール型のスプリットレス試料導入法では試料導入の際, キャリヤーガス流量が少ないため脱着導入が円滑に行われない可能性がある。このため, スプリットガス出口にストップバルブを付け, このバルブを閉じて加圧状態にして, カラムを冷却してスプリットレス試料導入を行った後, ストップパルブを開いてスプリット状態にして昇温し, 分析を行う方法について従来法とピーク形状等の比較検討を行った。
C6, C7の脂肪族および芳香族炭化水素を用いたテスト結果では, 脱着による試料導入ではシリンジ注入に比べ, ピークのブロード化は避けられないが, 脱着時にキャリヤーガス流量が少なくなる従来型のスプリットレス試料導入法に比ベ, かなり改善されることがわかった。また, 試料導入時にキャリヤーガス流量が少ないと脱着導入が完全に行われないため, 各成分の回収率も低下することがわかった。本研究で提示した吸着捕集の脱着導入のためのスプリットレス試料導入法ではピークのブロード化を防ぐことができ, 比較的カラム効率のよい状態でスプリットレスによる脱着導入ができる。