大気汚染学会誌
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含浸フィルター法および拡散デニューダー法による大気中アンモニアの捕集の比較
田中 茂駒崎 雄一山懸 勝弘橋本 芳一
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1986 年 21 巻 5 号 p. 411-418

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抄録
大気中微量アンモニアの測定法として, 大気中のアンモニアを, リン酸等を含浸させたフィルター, 又は, シュウ酸等をコーティングした拡散デニューダーを用い捕集し, 改良インドフェノール法で定量する方法について検討を行った。その結果, 含浸フィルターの場合は, 5%リン酸一5%グリセリン混合液を含浸させたものが, ホウ酸又はシュウ酸一グリセリン混合液を含浸させたものと比較して捕集効率が良好であった。また, 拡散デニューダーの場合, 1%シュウ酸エタノール溶液をコーティングしたものが, ホウ酸エタノール溶液をコーティングしたものと比較して捕集効率が良好であった。そして, 含浸フィルター法および拡散デニューダー法のいずれの場合も, 環境大気レベルのアンモニアを充分に捕集できることがわかった。通気流量20l/minの場合アンモニアの捕集効率は含浸フィルター法で96%, 拡散デニューダー法で92%であった。インドフェノール法によるアンモニアの定量には, アルカリ性の緩衝剤 (リン酸三ナトリウムークエン酸三ナトリウム溶液) を添加したフェノール・ニトロプルシドナトリウム溶液を使用することで試料を抽出した試料溶液中のリン酸やシュウ酸の発色反応における影響を緩和し, 再現性を向上させることができた。また, リン酸含浸フィルターおよびシュウ酸拡散デニューダーのアンモニアのブランク値は, それぞれ0.6±0.2, 0.4±0.2 (5本) μgであり, ブランク値の変動の3倍を定量限界とした場合, 大気中のアンモニアの定量限界は大気採取量4.8m3 (0℃, 760mmHg) で, ともに0.13、μg/m3であった。
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© 大気環境学会
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