日本臨床外科学会雑誌
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症例
12kgに及ぶ巨大な乳腺悪性葉状腫瘍の1例
濱口 冴香長谷川 聡千島 隆司山中 正二市川 靖史遠藤 格
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2010 年 71 巻 5 号 p. 1132-1136

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抄録
症例は52歳,女性.10年以上前から左乳房腫瘤を自覚していた.2カ月前から腫瘤が急速に増大し,歩行不可能となったため救急搬送された.診察所見では,左乳房から腹部にかけて下垂する巨大腫瘤を認めた.腫瘍表面の皮膚は菲薄化し,一部が壊死,自潰して多量の血液を混じた浸出液を分泌していた.血液所見では,血小板増加を伴う著明な炎症所見,貧血,低栄養を認めたため緊急入院した.CT所見では,胸壁への直接浸潤は認めず切除可能と判断した.出血および感染コントロールを目的に,腫瘍切除術と全層植皮を施行した,腫瘍は最大径50cm,重量12.7kg,内部は充実性で広範な壊死を伴っていた.組織所見では,魚骨様配列をとる紡錘型細胞の増殖を認め,50%以上の細胞がKi67染色陽性であったため悪性葉状腫瘍と診断した.本症例は本邦最大径の巨大乳腺葉状腫瘍の切除例であった.今後,慎重に経過観察を行う方針である.
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© 2010 日本臨床外科学会
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