大気汚染学会誌
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粒子状物質拡散モデルの開発と評価
鹿島地域への適用
多田 和雄間 博之小林 恵三岡本 眞一
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1989 年 24 巻 1 号 p. 64-73

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抄録

粒子状物質の拡散モデルを開発し, 茨城県鹿島地域における粒子状物質の発生源別寄与率を算出した。この拡散モデルでは, 従来の粒子状物質を対象とした拡散シミュレーションではあまり考慮されていなかった稲わら焼および海塩粒子も対象とした。発生量の未把握等のため拡散モデルでは計算しにくい土壌および二次粒子については, 別途測定した化学成分濃度より概算値を求め, その濃度を拡散計算値に加えた。拡散計算は0-2, 2-10, 10-20, 20μm以上の4粒径に分けて行い, 粒径10μm以下の拡散計算値を浮遊粉じんおよび浮遊粒子状物質の実測値と比較した。
その結果, 実測値と計算値を比較すると, 良い整合性が得られた。また, 傾き1の回帰式の切片A0は3.6μg/m3となり, 実測値の約9割を説明できた。
さらに, 本拡散モデルと別途実施したリセプターモデル (CMB法) による発生源別寄与濃度の計算結果を比較して, 両モデルを適用する上での問題点を検討した。

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