抄録
NOxや粉一じん (SP) が極めて高濃度になる初冬を対象に, 東京都の一般環境局および筑波での観測結果を用いて濃度の経日変化について調べた. NOx, SPの日平均濃度のパターンは関東地方を気圧の谷が通過し冬型の気圧配置になったときともに最低となり, その後冬型の気圧配置がゆるむとともにまずNOxが上昇し, SPはNOxより遅れて上昇する傾向を示す. そのため, 比率SP/NOxは寒冷前線あるいは気圧の谷が通過した直後に相対的に低くなり, 次第に増加して, 次の気圧の谷の部分で最も高くなるような鋸型の変化パターンをする. この変化は相対湿度の変化パターンと良く一致しており, 冬型の気圧配置になった後, 比較的乾燥している大気中でNOxがまず上昇し, 大気が湿潤になるにつれ粉じづ濃度が上昇すると言える. 解析は主に光散乱粉じん計のデータを用いて行ったが'β 線粉じん計やピエゾバランス粉じん計のデータも初冬には高い相対湿度の下で高濃度が観測されており, 測定法が異なっても相対湿度とともに測定値が増加する傾向は変わらないといえる. したがって, 今後, 連続測定によるSPM中の水分の影響を定量的に見積もることが必要である.