大気環境学会誌
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自動車走行によって発生する大気浮遊粒子のTTFA法による発生源同定
溝畑 朗伊藤 憲男益田 佳和
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1995 年 30 巻 4 号 p. 243-255

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抄録
自動車トンネル内の大気浮遊粒子をアンダーセンサンプラーで3粒径範囲に分粒捕集し, 得られた試料から中性子放射化分析, イオンクロマトグラフィ, 熱分解炭素分析によって30種以上の元素, イオンおよび炭素成分の濃度を定量した。この結果にTTFA (Target transformation factor analysis) 法を適用して, 自動車トンネル内大気浮遊粒子の主な発生源とそれらの化学成分プロファイルを同時に同定した。トンネル内大気浮遊粒子の主な発生源は, 自動車排気粒子, 道路堆積物およびタイヤ・ブレーキ磨耗物であった。自動車排気粒子は7.7%の硫酸塩と多くの痕跡元素を伴った炭素の微小粒子 (<2.1μm) であった。道路堆積物の寄与は90%以上が粗大粒子 (>2.1μm) であった。タイヤ・ブレーキ磨耗物は主に炭素であったが, Zn, Mo, Sb, Baなどが著しく濃縮されていた。
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