大気環境学会誌
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都市大気中のハロカーボン類の挙動
今村 清中戸 康子山下 幸康坂東 博前田 泰昭池田 有光
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1995 年 30 巻 6 号 p. 398-409

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抄録

連続自動試料採取および導入装置Auto-thermal desorption cold trap injector (Auto-TCT) に接続したガスクロマトグラフ/質量分析 (GC/MS) を用い, 1992年12月2日~16日にわたり, 大阪市内において7種のハロカーボン類 (フロン-11, フロン-113, クロロホルム, 1, 1, 1-トリクロロエタン, 四塩化炭素, トリクロロエチレンおよびテトラクロロエチレン) を連続測定し, 都市大気中における挙動について考察した。装置の繰り返し分析精度は3.0%以下, 検出限界 (S/N比3) は約10pptであった。
四塩化炭素は正規対称分布を示し, 濃度変動幅は0.08~0.20ppbの範囲にあった。これらの結果は測定地点の付近に地域発生源が存在しないことを示唆している。クロロホルムも四塩化炭素と類似の傾向を示し, 地域発生源からの影響は比較的少ない成分であった。他の5成分は対数正規型
測定期間中でのハロカーボン類の中央値はフロン-110.83ppb, フロン-1130.33ppb, クロロホルム0.14ppb, 1, 1, 1-トリクロロエタン4.31ppb, 四塩化炭素0.14ppb, トリクロロエチレン0.48ppb, テトラクロロエチレン0.22ppbであった。

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