大気環境学会誌
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大気常時監視システムのメタン濃度データの評価法について
前田 泉山本 弘捷森 忠繁
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1997 年 32 巻 2 号 p. 109-115

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抄録

地方自治体が保有する多量の大気常時監視データを用いて, 長期にわたる大気中メタン濃度の広域にわたるトレンドや地域特性を評価するため, データに含まれる誤差を検出し, その影響をできるだけ小さくする手法を検討した。
岡山県南部に設置する15大気常時監視局で得られたメタン濃度1時間値を用いて解析した結果, 15時のメタン濃度は1日の時間変動において最低値を示し, ばらつきが非常に小さく, バックグ ラウンドに近い季節変動と濃度レベルを示すことが認められた。更に, 岡山県南部エリア内における15時の標準値として, 15測定局の平均値を用いるのが良いことがわかった。この15測定局の平均値を基準として, 個々の測定局に含まれる長期間の誤差を検出することができた。また, 1時間値から当日の15時の値を差し引いた値を用い, 長期間の誤差の影響や広域にわたる季節変動の影響を受けることなく, 発生源に関する地域特性を観測することができた。

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