大気環境学会誌
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建物群内における流れと拡散に関する実験的研究
その1. 流れ場の測定
孟 岩老川 進
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1997 年 32 巻 2 号 p. 136-147

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抄録

モデル建物群内の流れ場と拡散場を調べるために風洞実験を行った。本研究のその1では建物群内外における平均速度および乱れの構造を詳細に調べた。モデル建物は, 高さ8cmの立方体を用い, その配置を千鳥状とした。また, 建物の密度を10%から40%まで変化させた。流れ方向と鉛直方向の速度成分の計測は, 乱れのレベルが高いかつ逆流に伴う流れ場を測定できるスプリットファイバープロープを用いて行った。その結果, モデル建物群内の流れ場は, 建物密度を指標として, isolated roughness flow, wakeinterference flowおよびskimming flowと呼ばれるような三つのパターンに区分されることが明らかとなった。建物密度の増大に伴い, 建物群内の流れ方向の速度が次第に小さくなり, 建物密度が40%の時にほぼ0となる。また, 建物屋根面上の流れの剥離に伴う大きな乱れの生成は, 建物密度が20%を超えると殆ど見られなくなる。

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