大気環境学会誌
Online ISSN : 2185-4335
Print ISSN : 1341-4178
ISSN-L : 1341-4178
過去40年間の小児気管支喘息およびアトピーの頻度に関する研究報告の再検討
大気汚染の関与について
橋本 正史
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 33 巻 2 号 p. 126-138

詳細
抄録

小児のアトピー化リスクとアトピー型および非アトピー型喘息発症リスクに対する大気汚染の関与を明らかにする目的で, 過去40年間の我が国における小児気管支喘息およびアトピーの頻度に関する研究報告結果を再検討した.その結果, 以下のことが示唆された.
1.大気汚染はアトピー化リスクに対しては負に, アトピー型および非アトピー型喘息発症リスクに対しては正に関与する.
2.今日, 小児気管支喘息の頻度を高めている主要な要因は大気汚染とは無関係な要因で, この要因はアトピー化のリスクおよびアトピー型喘息発症リスクに正に関与する.
3.今日の小児気管支喘息発症に対する大気汚染の寄与危険度は小さく, 人口寄与危険度割合は約4%と推定される.

著者関連情報
© 大気環境学会
前の記事 次の記事
feedback
Top