大気環境学会誌
Online ISSN : 2185-4335
Print ISSN : 1341-4178
ISSN-L : 1341-4178
1次元都市キャノピーモデルによる都市の熱環境に関する研究
近藤 裕昭劉 発華
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 33 巻 3 号 p. 179-192

詳細
抄録

1次元の都市キャノピーモデルを作成し, 都市の熱環境を調べた。メソスケール気象モデルの水平1格子程度の空間 (数km四方) のビルの配置を簡略化して取り扱い, 平均ビル幅, 平均道路幅, ビルの高度分布をパラメータとして, 道路面や各高度の壁面・屋上面における平均的な熱収支を計算して顕熱量を求めた。また, 人工廃熱も高度別に与えるようにした。すべてのビル高度が33mとした場合, ビル幅と道路幅が30mの時, キャノピーの地上3mの気温はビルが無い場合に比べて午後から夜間にかけて約1K上昇した。道路幅を狭くすると昼間の気温は更に上昇するが, 夜間は気温が下がる傾向を示した。東京駅付近の人工廃熱量の日変化を与えて計算すると, ビルが存在すると地表付近の気温上昇はビルが無い場合に比べて大きく, また廃熱源が地上付近にあった場合の方が屋上に廃熱源を置いた場合に比べて温度上昇が大きいことが示された。

著者関連情報
© 大気環境学会
前の記事 次の記事
feedback
Top