大気環境学会誌
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臭気センサーによる複合臭気の評価手法の検討 (I)
臭気センサー指示値と臭気物質濃度との相関
房家 正博雨谷 敬史松下 秀鶴
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1998 年 33 巻 5 号 p. 297-305

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抄録

臭気センサーを用いる簡便な臭気測定法開発の一環として, 単一臭気に対するセンサー特性の検討と, 得られた特性の複合臭気評価への利用に関する検討を行った。その結果, 特定悪臭物質19種を含む21種の悪臭物質について, それらの物質濃度の対数と臭気センサー指示値との間に直線的相関が成立することを認めた。また, 用いた臭気センサーの感度は比較的良好で, メチルメルカプタンを除く硫黄系化合物, 各種有機溶剤およびアセトアルデヒドに対しては敷地境界における規制下限値以下の濃度も測定可能であることを認めた。
一方, 複合臭気に関しては, その構成臭気物質濃度から臭気センサー指示値を予測する方法を考案し, その予測値は実測値と良好な一致を示すことを認めた。また, 複合臭気を構成する臭気物質濃度比が判っている場合, 臭気センサー指示値から構成臭気物質濃度を推定する方法も考案し, 実測値と予測値が一致することを見い出した。

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