大気環境の週サイクル変動に着目し, 東京におけるNOx, NO2, SO2, SPM, CO, NMHCの大気汚染物質濃度および気温・風速の平日と休日の違いを常時監視測定局の測定値により調べた結果, 以下の知見が得られた。(1) Oxを除く大気汚染物質濃度は休日に低下し, 気温は休日に低下する。(2) 休日の日平均NO2濃度を環境基準で評価すると, 超過局数が現況の1/3以下に減る。(3) 休日のNO2濃度低減効果にはNOx濃度の低減とNO2比率の低下が寄与しており, ディーゼル自動車の初期NO、排出量が走行量減少によって大幅に減少するためであることが示唆される。(4) 日最高Ox濃度の高位統計値 (98%値) は郊外部では休日に低減するが, 区部では逆に上昇する。以上の初期的な研究結果から, 週サイクル変動を通じた大気環境の研究は, 今後, 多くの研究課題において有効であると考えられる。