大気環境学会誌
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2, 4-ジニトロフェニルヒドラジン含浸シリカゲル法によるアルデヒド類測定における二酸化窒素の影響
池浦 太荘柳川 正男大野 ちづ子
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2001 年 36 巻 4 号 p. 195-207

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抄録

環境大気中のホルムアルデヒドを2, 4-ジニトロフェニルヒドラジン含浸シリカゲルで24時間捕集しGC/MSにより分析したところ, 2, 4-ジニトロアニリン, 5-ニトロベンゾフラゾン, m-ジニトロベンゼン, 2, 4-ジニトロフェノール, 1-クロロ-2, 4-ジニトロベンゼン, 5-ニトロベンゾフラゾン-3-オキシド, 1-ヨード-2, 4-ジニトロベンゼン, 1, 2-ジアミノ-4-ニトロベンゼン, 2-クロロ-5-ニトロアニリン, m-ニトロアニリンが検出された。これらの化合物は, 2, 4-ジニトロフェニルヒドラジンと二酸化窒素, よう素, 塩素などとの反応により生成したと推察された。また, 5%フェニルメチルシロキサン被覆カラムを用いて熱イオン化検出器付ガスクロマトグラフ装置により分析するとき, 2, 4-ジニトロアニリンとホルムアルデヒド-2, 4-DNPHzの保持時間がほぼ等しいため, 大きな正の妨害が起こり定量不能となることが分かった。この妨害は無極性のメチルシリコン被覆カラムを使用し昇温プログラムを工夫することにより回避できた。
DNPHの分解反応は, 大気中の二酸化窒素濃度とDNPH含浸シリカゲル上の水分量に大きく依存するため, 試料捕集部の加温, 除湿管ないしDMN/Celiteスクラバーの使用が妨害反応の抑制に効果的なことが分かった。

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