胆道
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「第三回 外科の立場から」
ss胆嚢癌の長期生存をめざした外科治療戦略
新井田 達雄樋口 亮太太田 岳洋吉川 達也山本 雅一高崎 健
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2008 年 22 巻 5 号 p. 715-722

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抄録
ss胆嚢癌の外科治療についてR0の治癒切除が大事であることに異論はないであろう. しかしその治癒切除をえるための術式選択については以下の3点のcontravesyがある. I. pBinf (-) 症例や胆嚢管癌非浸潤例に対し予防的胆管切除は必要か?II. リンパ節の郭清範囲と郭清法 (特に膵頭十二指腸切除術の適応) III. 肝切除範囲についてである. これらの問題を臨床病理学的にretrospectiveに検討し, ss癌の進展度別にみた標準治療を検討した. ss癌切除115例を対象にし, さらに34回日本胆道外科研究会全国アンケート調査のss癌1148例の結果を参考にした. I) 予防的な肝外胆管切除 : pBinf (-) 群であればpNの有無にかかわらず肝外胆管非切除群と切除群の生存率に有意差がなく再発様式についても有意差はなかった. したがって予防的な肝外胆管切除の意味はないと思われた. II) リンパ節郭清法 : リンパ節郭清にはpBinf (-) &pN (+) ではPDを適応とするべきであるが, リンパ節転移のない場合にはD0-1郭清を基本とするべきであろう. III) 肝切除範囲 : pBinf (-) 群では, 癌占拠部位が腹腔, 肝側にかかわらず予防的なS4a+S5切除, 全層切除, 胆嚢床切除間に生存率や肝転移再発様式に有意差を認めず, 肝転移を予防する肝切除は必要ないと思われた. pBinf (+) では肝外胆管切除と肝右葉+尾状葉切徐が標準術式となると思われた.
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© 2008 日本胆道学会
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