胆道
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原著
急性胆嚢炎に対する経皮経肝胆嚢吸引穿刺法(PTGBA)の有用性
松元 淳古賀 哲也今給黎 和幸田村 智章犬塚 貞利永井 利明
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2012 年 26 巻 2 号 p. 189-195

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抄録

要旨:2004年9月より急性胆嚢炎に対するドレナージ法として経皮経肝胆嚢吸引穿刺法(PTGBA)を第1選択として施行し,その有用性と安全性を検討した.1回のPTGBAで60%(15/25),2回目までのPTGBAで88%(22/25)の症例が軽快した.無効例はいずれも結石嵌頓例であった.偶発症は抗血小板薬服用中の1例に肝皮膜下血腫を認めたのみであった.Performance Status(PS)不良や併存疾患のために手術非適応となった16例(ハイリスク例)は,いずれもPTGBAのみで軽快し,1例のみ27カ月後に再発したが,再度のPTGBAで対応可能であった.PTGBAは簡便,安全な方法で,有効性も高く,チューブトラブルが避けられるという大きな利点がある.本法は特にPS不良例,手術非適応例に有用であり,第1選択の治療法に成り得ると考えられた.

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© 2012 日本胆道学会
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