要旨:症例は70歳女性.USで肝内胆管,総胆管の拡張を認めた.CTで下部胆管に造影効果を有する腫瘍を認めた.内視鏡で十二指腸乳頭部の口側隆起は球状に腫大し,開口部粘膜の潰瘍性病変と十二指腸粘膜の襞集中を認めた.胆管深部挿管は困難でありsuprapapillary incisionを施行した.ERCで胆管末端の嚢腫状拡張を認めた.EUS,IDUSでは胆管末端は12 mm径の嚢腫状の拡張を認め,十二指腸乳頭部に腫瘍の筋層侵潤を認めた.乳頭部生検は腺癌であった.術前画像診断でAbから発生した浸潤癌と診断した.非共通管拡張型のCholedochoceleの合併も示唆された.手術施行されたが開腹時,肝臓に微小結節が多発していたため試験開腹のみとなった.