2016 年 30 巻 2 号 p. 274-280
症例は78歳,男性.十二指腸乳頭部腫瘤を指摘され来院.生検の結果adenocarcinomaを認めた.本人の希望により手術は行わない方針となりCovered metallic stent(CMS)を留置したが,その4カ月後にステント内部に腫瘍内増殖を認めCMSを追加留置した.その際,ステント下端を下十二指腸角に向けて管腔に沿って長めに留置したが,約3年6カ月間ステントが開存し外来にて経過観察が可能であった.CMSの長期開存の要因を考える上で貴重な症例と考えられた.