胆道
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第2回 硬化性胆管炎の疫学
原発性硬化性胆管炎・IgG4関連硬化性胆管炎の疫学
田中 篤滝川 一
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2016 年 30 巻 2 号 p. 304-311

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抄録
われわれは2015年に原発性硬化性胆管炎(PSC),IgG4関連硬化性胆管炎(IgG4-SC)についての全国調査を行い,PSC 428例,IgG4-SC 521例を登録した.PSCでは主に男性において年齢構成に2つのピークがみられた.全体における炎症性腸疾患(IBD)の合併は39.6%であったが,若年発症のPSCに限定すると69.4%であった.5年移植なし生存率は77.0%であり,診断時の年齢・症状の有無・血清アルブミン値が有意に関連していた.IgG4-SCでは男女比およそ4対1で,男女ともに60歳代が好発年齢であった.血清IgG4基準値範囲内の症例が16.1%存在した.遠位胆管に病変が存在するType 1が全体の64.0%と最も多かった.胆管細胞癌の合併は3例のみであった.治療としては88.5%の症例でステロイドが使用され,治療効果は良好で5年生存率は95.2%であった.
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© 2016 日本胆道学会
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