胆道
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総説
超音波内視鏡下胆管ドレナージ―最近の展開―
北野 雅之三長 孝輔今井 元工藤 正俊
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2016 年 30 巻 4 号 p. 689-698

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抄録

超音波内視鏡下胆管ドレナージ術は,ERCPが困難な胆道閉塞症例における代替の胆管減圧法として近年,大きな注目が集まっており,ここ数年の間に多数の論文が発表されている.様々な手技の方法が報告されているが,主な穿刺ルートとして,胃から経肝的に肝内胆管にアプローチする方法及び十二指腸から肝外胆管にアプローチする方法に大別され,ステンティングの方法では,経消化管的ドレナージ術,ランデブー法および順行性ステンティング術の3通りの留置法がある.閉塞部位やスコープの乳頭部到達可否等の状態に応じて,穿刺ルート,ステント留置法を決定する必要がある.手技成功率および偶発症発生率は手技の方法や報告により異なるが,最近の1192例のメタ解析では,手技成功率94.7%,偶発症発生率23.3%と報告されている.今後の専用処置具の開発により,近未来には,より安全で確立した治療法となり得る可能性がある.

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© 2016 日本胆道学会
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