胆管癌における唯一の有効な治療手段は外科的切除であり,治癒切除で良好な予後が期待できる.しかしながら高度な局所進展により胆管切離縁の癌浸潤陽性で治癒切除に至らない症例も少なくなく,治療後の予後に大きな影響を与える.また全身状態や臓器機能障害により切除を行えない症例や術後胆管再発症例も認められる.現状では化学療法や放射線治療による治療が行われているが,高いエビデンスある局所制御効果は認められていない.光線力学的療法は2000年以降欧州のランダム化比較試験などにより切除不能胆管癌で高い局所制御効果や生存期間延長が示され,それ以降も現在までに新たな光増感剤開発によって切除不能胆管癌におけるエビデンスある治療成績が報告されているがその一方,本邦での普及には至っていない現状がある.胆道外科医の立場から,PDTの実際の手技,本邦並びに海外の光線力学的療法の現状と,新たな研究開発と将来について総説する.