胆道
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原著
急性胆嚢炎におけるドレナージ胆汁の臭気レベルに関連する因子の検討
國吉 宣行土井 晋平足立 貴子関根 一智馬淵 正敏安田 一朗
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キーワード: 急性胆嚢炎, 胆汁, 臭気
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2019 年 33 巻 5 号 p. 817-823

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抄録

急性胆嚢炎症例の胆汁臭気に関する因子の検討を行ったので報告する.対象は2016年2月から2018年10月までに当科で急性胆嚢炎と診断し経皮的胆嚢ドレナージを施行した72例.ドレナージ後の胆汁を複数の医師が11段階で数値化(無臭を0,想像できる最高の悪臭を10),その平均をSmell scoreとした.Smell score 5以上の群(悪臭群)と5未満の群(非悪臭群)に分け比較を行った.影響因子の検討(悪臭群/非悪臭群)は,胆嚢壁の厚さ(≧8mm)(59.3%/22.2%,p=0.02),ピークCRP値(≧20mg/dl)(63.0%/24.4%,p<0.01),大腸菌検出(70.4%/15.6%,p<0.01)が有意な因子であった.胆汁が強い悪臭を放つ場合は胆汁に大腸菌が検出される可能性が高く,胆嚢壁の厚い症例に多かった.また胆汁臭気レベルは炎症の程度に比例する可能性が示唆された.

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© 2019 日本胆道学会
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